『あなたは何人（なにじん）ですか？』
って難しすぎる質問だと思う。
何が聞きたいのか、自分でもよく考えた方がいいし、
もっと違う聞き方した方がいいと思う。
わたしは顔が韓国人とか中国人とか、
東南アジアの人とかに見えるらしく
『何人（なにじん）？』
って今までたくさん聞かれたことあるけど、
純国産、日本生まれ・日本育ちで、
今ままで困ることも迷うこともなく、
「日本人です」って答えてきた。
でも、『何人（なにじん）？』って聞かれて、
答えに悩んだり、困ったりしてる人をみたことがある。
聞いた方が、反応に困ってるパターンも。
Twitterでもしばし、
◯◯人っぽくないとか、◯◯人って言えるの？
とかいう議論が爆発してるところをみたのを思い出して、この話題になった。
他人が何人か言及するのは変だと思う
そもそも、
何人（なにじん）かっていうカテゴライズ（分類）が変だし、
なんかもう意味ない気がするし、
何人（なにじん）かどうかを人が議論するのがおかしすぎない？
って夫と最近話した。
（夫はドミニカ共和国出身）
何人かどうか決めるのは、本人しか決められないことで
人が決めたりジャッチすることではないよね。
というのが最終的な意見なんだけど、
なんで人が決めるのがおかしいのか、
なんで難しすぎる質問だと思うのか
考えるのは状況別で文字にしてみるとわかりやすいと思った。
人によって質問の意図、質問の捉え方が違いすぎる
『何人（なにじん）ですか？』
と、人が質問するときに様々な意図があると思う。
- どこの国で生まれましたか？
- どこの国で育ちましたか？
- 親の国籍はどこですか？（何人の親がいますか）
- どこの国籍持ってますか？
- 純国産ですか？（日本で育って、祖先を６代くらい遡っても日本の血）
でも、人の育ちというのはそうシンプルなものではない。
私は日本人です。
と回答する人の中には例えばこんな人がいる
- 日本生まれ、日本人です。
- 日本生まれ、日本育ちです。ひいばあちゃんは韓国人です。
- 日本で生まれたけど、親は2人ともドイツ生まれドイツ育ち、ドイツ国籍です。
- 日本生まれ、日本育ちだけど、今はカナダの市民権をとったので、日本の国籍を失いました。
- 日本以外で生まれて、親も外国籍だけど、３歳の時からずっと日本に住んでいる。
何人（なにじん）かどうか、明確な定義も決まりもない
国籍というのは、それぞれの国で決められたルールがあるけど、
何人（なにじん）っていうのは明確な定義はない。
国籍も、人によっては変な部分はあるにせよ、国ごとにルール化されている。
（例えば、日本の”２重国籍認めない”とかは他の国のルールとぶつかってることがあったり、
親が2人とも外国籍の日本で生まれた赤ちゃんは、国籍がもらえる国もあったりもらえない国（日本はもらえない）もあったり）
wikiには、
日本人は、次のような幾つかの考え方により定義、分類が可能である。
日本人 - Wikipedia
って書いてあるけど。
何人（なにじん）の切り分け方を色々試してみると、難しすぎる理由がわかると思う
例えば、"日本人"を以下のように切り分けて考えてみると、
人が勝手にルールをつけて”何人”とか言えないってわかりやすいと思った。
どこにも当てはまらない人が出てきたり、
切り分け方同士でぶつかったり、
途中でなくなったりするから。
切り分けルール１.
日本人とは、日本国籍を持っている人である。
これはルール化されている”国籍”に乗っ取ってるから
一見一番わかりやすいように思う。
でも国籍で思いつく2つ変なことは、
1つ、日本で生まれ育ってるのに日本人ですって言えない人。
例で出した、「日本で生まれたけど、親は2人ともドイツ生まれドイツ育ち、ドイツ国籍です。」
この人は日本で生まれ育ってるけど、生まれた時点で持てる国籍はドイツ国籍。
日本は、出生による国籍の取得を以下のように決めている
１ 出生の時に父又は母が日本国民であるとき ２ 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき ３ 日本で生まれ，父母がともに不明のとき，又は無国籍のとき
から、ドイツ国籍のご両親から生まれてきた日本生まれのこの人はドイツ人ということになる。
この人は一生涯を日本で過ごすとしても、ドイツに行ったことがないとしても国籍で決めつけてしまうとドイツ人ということになる。
この時点でおかしい話。
そして、日本の国籍を取得したら、日本は２重国籍を認めていないので、
ドイツ人から日本人に途中で変わる。
国籍で思いつく変なこと2つ目は、
途中で国籍を変更する=日本国籍を失うパターン。
ルール１の法則でいくと最初日本人だったのに、途中で日本人って言えなくなる。
例えば、わたしは日本国籍を持っている、日本生まれ、日本育ち。
でももし、数年後にカナダの市民権（国籍）を取得すると、日本国籍を喪失する。
そうなると、私は十数年日本人だったのに、日本人ではなくなる。
このルールで行くと、カナダ人にはなれる。
あとは、日本国籍を持った親と、外国籍を持った親から生まれた子供。
これは22歳になるまで2つ、3つの国の国籍を持てるけれど
22歳になったときに、日本国籍を持つか外国籍を選んで日本国籍を失うか決めなきゃいけない。
この場合ルール１では22歳まで２、３カ国人と言えるけど、外国籍を選んだ時点で日本人って言えなくなる。
いやいや日本で育ってるんだし、完全日本人でしょー！
という話ルール１では通用しない。
おかしい話でしょ。
切り分けルール２.
血できめる。
じゃあ次に血で日本人かどうかを判断してみよう。
ここで血のパターンを考えてみる
- 両親どちらも６世代遡っても日本の血筋
- ひいおばあちゃんが韓国人
- ７世代くらいさかのぼるとフランス人のじいちゃんがいる
- お父さんはブラジルの父と日本の母、お母さんは３世代遡っても日本の血筋
- お母さんはアルゼンチンの父母、お父さんは日本
- おばあちゃんが３世代遡っても日本の血筋だけど、じいちゃんはチュニジア人、その子供がお父さんで、お母さんは６代遡っても中国
- 人類皆兄弟、、、
血で決めるとか無理でしょ。
ハーフとか、クオーターとかよく使われるけど
ハーフ日本人とかクオーター日本人とかおかしいでしょ。
ここで、６世代遡っても両親どっちも日本の血筋だったら完全日本人だよー！とか言いだしたとする。
それで、その６世代日本の血筋の人が日本じゃないどこかで生涯を送ってるとしたら？
血で決めるのは、カテゴリー外になる人が多すぎ。
切り分けルール3.
生まれた場所が日本なら、日本人
日本で生まれてすぐに、日本国外に引っ越したら？
切り分けルール4.
日本に住んだ年数が人生の中で一番長いなら日本人
ルール１と一緒で、途中で変わっちゃうのでやっぱり破綻してる。
わたしは28年日本で育ってきたけど、
カナダで28年過ごして56歳になったら、この年だけ日本人とカナダ人
57歳になったら日本人って言えなくなる。笑
切り分けルール５.
見た目が"日本人"っぽかったら日本人
一番おわってるやつ。
黒髪で、黄色で、目が小さくて、、、おかしいでしょ。
カナダとかアメリカとか移民で作り上がった国はどうやって
カナダ人・アメリカ人っぽいって決めるのか。
そしてルール５でいくと、わたしは日本人退場。
切り分けルール6.
ルール１〜５の掛け合わせ。
掛け合わせたとしても、ルール自体が破綻しちゃうルールばっかりだから無理だよね。
だから、何人（なにじん）かどうかは、本人だけが決めればいい
2つあっても、3つあっても、4つあっても、地球人とか言っても、言わなくてもいいと思う。
時と場合で変わったっていいし。
『何人（なにじん）』かどうかは、自分が決めればいい。
なに人かどうかを、見た目とか国籍とか先祖とかで他人が決めたり、言及したりするのは変だと思う。
質問して『〇〇人です』って回答された時に、
assume（あ〜こういう人ね、とか、勝手に思い込むこと）するのはよくない。
質問があるなら、普通に聞けばいい。
困惑したり、顔全然違うじゃーんとか聞き出す人は
なんか何人（なにじん）って言葉以外で初めから具体的に聞けばいいと思う。
どこで生まれて、どこで育て、ご両親はどんな方なんですか？とか？
一気に聞かれたら、面接かよって思うけどね。
あとは、バックグラウンドはどんな感じですか？とか、、
何にせよ、聞いてどうするの？とも思うけど。
何人かっていう定義がいかに存在しないもので、
他人が決めるものじゃないっていう認識をみんなが持ったらいいと思う。
私にもし子供ができたら、
日本人だと思ってる母親とドミニカ人だと思ってる父親から
カナダで生まれて、おそらくカナダで育つ子供になる。
それぞれのアイデンティティーは教えるけど、
自分が何人か決めたかったら決めてもいいし、３カ国名乗ってもいいし、
何人っていうカテゴライズ自体変だから、悩まなくていいよって言いたい。
1CAD = 85.9円（ 17:40 Sept. 14, 2018）